外国語学習のために映画を見るのは時間の無駄?

watching movies僕はいままで外国語の学習に役立てようと、たくさんの外国映画を観てきました。

みなさんもきっと同じだと思います。いい映画が好きではない人なんていませんよね。 その映画の中で勉強中の外国語が聞けるとなればことさらです。

でも、実は僕はもうあまり勉強のために映画を見ないのです。

いろいろなところで次のような外国語学習のアドバイスをよく聞きます。「え、○○語を勉強したいんですか? じゃあ、映画を観た方がいいですよ! 本場の会話が聞けますからね。」でも、ある時にこのアドバイスに少し疑問を抱くようになったのです。

数多くの外国語を学んで来て、そのいろいろな段階で外国語映画をたくさん観てきた僕としては、この点についてちょっと僕なりの意見があります。外国語の映画を観てその外国語を学べるかというのは、つい最近、作家・映画評論家のアニー・ビルソン氏がテレグラフ紙の記事で投げかけた問題でもあります。記事にはいいアイディアが載っているのですが、結局結論は出ないままで終わってしまいました。

僕は最近6ヶ月間くらい広東語を勉強しているのですが、これを機に僕が全くの初心者から外国語を学ぶ時に、映画がどんな役割を果たすかをあらためて考えてみました。 そして、このちょっとしたプロジェクトで、初心者が外国語を学ぶ時に映画が果たす役割について僕は考えを改めたのです。

この記事を読み終わる頃には、みなさんも外国語を学ぶ時に映画を観る本当のメリットをよく理解できることと思います。(注意:みなさんが期待していることとはたぶん違うと思います。

みなさんはテレビ画面の前でどのくらいの時間を過ごすべきか、あるいはその代わりに何をすべきかを決めることができるようになっているはずです。

さらに、この記事では映画を活用する10の方法を教えます。これで時間を無駄にすることはなくなるはずです。

フランス語を勉強中のロブさん

ロブさんは1年ほどフランス語を勉強しています。まだ初心者ですが、フランス語に熱心で、ペラペラになりたいと思っています。ご多分にもれずロブさんもフランス映画が大好きで、勉強に役立てばと映画をよく観ています。

よく外国語を勉強するのに役立つから映画を観た方がいいって言いますよね。僕もスラングとかカッコいい言い回しとか、リアルな会話がたくさん聞けるから為になると思います。映画はもともと好きで、特にフランス映画は最高ですね。

映画を観ることで間違いなくフランス語が上達するし、今度フランスに行く時に役に立つと思います。

本当にそうでしょうか?

ロブさんのこの映画鑑賞に頼りがちな傾向について真っ向から反論してみます。ロブさんが映画を観ている時に、頭の中で何が起きているのかを明らかにし、すぐにフランス語がペラペラになると思っているとがっかりすることになる理由を示します。

くつろぎとペラペラ、どちらをとるか

じゃあ、映画を観ない方がいいって言うんですか? 頭がおかしいんじゃないですか?

いや、そういうわけではないです。(少なくとも今の所は。 

まず、ここで一旦立ち止まって、話の内容を整理してみましょう。

一日の仕事が終わった後、映画を観ながらくつろぐのは安らぎのひと時ですよね? はい。フランス映画はおしゃれですよね? そうですね。彼女と一緒に映画を楽しめますよね? 間違いないですね。

しかし、こういうことが問題ではないのです。

フランス語を学びたいわけですよね? これは外国語学習の問題なのです。

時間が足りない、というのは外国語を学べない言い訳 理由で一番よく聞くものです。なので、もし真剣にフランス語をマスターしたいと思っているのなら、ここですべきことは自由時間学習時間の使い分けを冷徹な目で見極めることです。

映画鑑賞を楽しむというのであれば、それはそれで結構。映画を楽しまない人なんていません。

でも、映画鑑賞がレゴで遊んだりするよりも優れた学習戦略であると思い込む前に、映画がどういう風に役に立つのかをもっと詳しく考えてみましょう。

単にくつろぎたいのであれば、ご自由にネットフリックスへどうぞ。 外国語がペラペラになりたいのであれば、先に読み進んでください。


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映画を観ている時に何が起きているのか?

納得がいく説明が欲しいですね。

では、詳しく見ていきましょう。

映画が役に立つこと

初心者の段階でフランス語で映画を観るメリットはいくつかあります。例としては、

  • フランス語の音、リズム、文化の特性などに慣れることができる。
  • 頻繁に出てくる単語や表現に気づく可能性がある。
  • すでに学んだ言葉を定着させるのに役に立つ。例えば、教科書である単語を学んで、その単語を映画の中で聞けば、その単語が記憶に残りやすくなるなど。
  • モチベーションは外国語学習にとって重要。フランス映画が好きということは、その文化に対する情熱が学び続ける動機になる。
  • それだけではなく、映画を観続けることで、フランス語に触れる時間が増える。これはとてもいいこと。
  • 自宅にフランス語だけの環境(一番有効な言語学習法の一つ)を作っている場合、フランス語映画を観るのはその中で大きな位置を占め得る。
  • いずれにしろ映画を観て夜を過ごすのであれば、フランス語で観た方がいい。

その通り! いいことだって言ったでしょう。

もう一度上のリストを見てみましょう。これらは全て、役に立つことは確かですが、外国語学習にとって実際にはあまり本質的ではないことがわかります。

なぜ映画を観ても役に立たないのか?

今度は、デメリットを見てみましょう。違った側面が見えてくるかもしれません。

  • 言葉のレベルが高すぎて映画の内容がほとんど理解できない。 外国語が上達するには、話している内容の中から言葉の特徴に気づく必要があります。そのためには、自分の今のレベルよりもほんの少し上のレベルの言葉を聞かなくてはいけません(これはインプット仮説と呼ばれています)。
  • 映画鑑賞は受け身で、対話がない。 パトリシア・クール博士の幼児が学習する過程に関するとても面白い研究によると、(テレビを観て)受け身で学んだ幼児は、人間と交流して学んだ幼児に比べて上達がとても遅いことがわかりました。ええ、皆さんは幼児ではないですが、言いたいことはわかりますよね。
  • 実際にはあまり聞いていない。 外国語をちゃんと聞いているというのは思い込みです。もし字幕が付いている場合、実際にはその字幕を読んでいるだけなのです。その字幕は母国語ですよね。確かに、フランス語を話しているのが聞こえますが、思っているほど集中して聞いているわけではないのです。
  • 映画は長い! 何かを学ぶ時に、途中で変更したり何か他のことをしようとしたりすることもなく、2時間も連続してやり続けるようなことが他にあるでしょうか?
  • 集中できない。 その2時間の間、本当に言葉に注意を払っているのはどのくらいですか? きっと映画を楽しもうという気持ちもあるはずなので、どうしてもフランス語よりも字幕や映画の内容に集中する時間が長くなるでしょう。
  • 辞書を引くのは現実的ではない。 たまにはできるかもしれませんが、映画を最後まで観ようと思ったら、そんなに頻繁にはできないでしょう。
  • 文字に起こしたテキストが付いてくるわけではないので参考にできない。 もしあったとしても、長すぎます。教科書の短い会話例と比べてみてください。会話例なら噛みこなして、隅から隅まで分析してわからないところを学ぶことができます。(フランス語の字幕が付いていても、字幕は必ずしも話す内容と同じではありません。言い換えられていたりすることもよくありますし、一度に一行しか表示されません。)
  • 何度も聞き返せない(あるいは聞き返そうと思うととても時間がかかる) 聞き取りのスキルを本当に上達させるには、録音されたものを何回も集中して聞き、毎回何か新しいことに気づく必要があります。これを2時間の映画でやることを考えてみてください。

要はバランスということ

でも、完璧なものなんてないですよね。 やっぱり何時間もフランス語を聞けば上達すると思います。

それは確かにそうです。

でも、もっと賢い方法で学びたくないですか?

ここで、初心者にとっていい外国語学習方法とはどんなものかを考え、果たして映画を観るのがそれに当てはまるかどうかを考えないといけません。

外国語を学ぶ時にはどんなレベルであっても、重要なのは4つのスキルをバランスよく磨くために時間を費やすことです。

でも、初心者の段階では、いくつか考慮点があります。まず第一に、ボキャブラリーを増やすことに集中する。そのためには、高頻度の(つまり、一番よく使われる)単語や表現にたくさん触れるようなことに時間を費やす必要があります。

そして、自分が理解できるレベルというだけでなく、その外国語を細部まで詳しく調べられるような教材が必要です。つまり、何回も繰り返せるような比較的短めのテキストを使うことです。理想的にはリーディングとリスニングの両方が可能なものがいいですね。

続いて、その外国語で表現すること。つまり、ネイティブ・スピーカーと話したり、理想的には書く練習もしたりするということです。

これら全てのことをある程度の期間繰り返す。ボキャブラリーが増え、そのボキャブラリーをどう使うかという知識が増えていく間、ずっと繰り返さないといけません。これが外国語マスターへの道なのです。

学習時間をうまくコントロールすること

つまり、言いたいのは・・・

そうです。

映画を観るのは楽しいし、ある意味フランス語を学ぶのに役に立つでしょう。でも、賢い外国語学習というのは、自分の時間をどう使うかということを自分で決めることなのです。

同じ外国語を勉強しているのに、上達が早い人とそうではない人がいるのはなぜでしょう?

究極的には、自分の時間をどのように使うかでその外国語に堪能になるかどうかが決まるわけです。

もし今まで映画鑑賞がフランス語の勉強の主な方法で、「学習時間」のほとんどを占めているという場合は・・・

考え直す時期です。

外国語映画を活用する10の方法

わかりました。つまり、自分がどう時間を使っているかよく考えないといけないわけですね。今はたぶん週に6時間くらい映画を観ていますが、実際に勉強になっているのはせいぜい1、2時間で、話すことはほとんどしていません。

映画を観て過ごす時間だけでは、すぐに上達するなんてことはないってことを肝に命じて、バランスよく勉強するようにしないといけないですね。

でも、フランス映画は観続けるつもりです。特に、フリータイムにはね。なんだかんだ言ってフランス映画が好きなんですよ。

では、テレビの前に座っている時間を最大限に使うにはどうすればいいのでしょうか?

  1. すでに観たことがある映画のフランス語吹き替え版を探す。 映画の内容を知っているということは、映画の話の展開を理解するのに役に立ちます。
  2. 新しい映画を観るのではなく、同じ映画を繰り返して何度も観る。 繰り返して観ると言葉に敏感になるようになり、単語や表現が定着するようになります。
  3. 字幕を消す。 外国語を聞いている時に、字幕があると新しいことに気づく妨げになります。コツは一回映画を字幕付きで観て、話の内容を十分に理解してから、字幕を消して何度も繰り返して観ることです。
  4. 映画を一時停止して辞書で単語を調べない。 映画を観る一番のメリットはおそらくその外国語に多く晒されることで、何か特に新しいことを学ぶことではないと思います。 そのまま流し続けましょう。
  5. その代わり、メモ帳を手元に置いておき、気づいた単語や表現を書き留める。 辞書で調べるのではなく(それはあとでできます)、覚えておきたいことを書き留めておくだけでいいのです。
  6. 何をするにしても、観ることを楽しむ。
  7. もし好きな映画の脚本を見つけられたら、何があっても手に入れる。 その脚本は一番価値のある教材となるでしょう。
  8. 観ている最中に、ストーリー展開に集中する。 意識的に自問自答してみましょう。「今なんて言った?」「今何が起こったの?』
  9. もし言っていることが理解できたら、声に出して言ってみる。つまり、映画を観るという行為をできるだけ受け身ではなく対話的にするような方法を見つけるようにしましょう。

さて、一番のコツは最後にとっておきました。

10.映画ではなくTVシリーズを見る。

TVシリーズのエピソードは映画よりも時間が短いものが多く、使われている言葉も簡単なものが多いのです。そして、一番いいのは繰り返しのパワーを使えることです。

エピソードごとに(シリーズを通して合計20時間以上になることもある)、同じ言葉が何度も繰り返して使われることがよくあります。これは、ドラマの主題やテーマは通常は変わることはないためと、登場人物はそれぞれ個性を持っていて特有な話し方をしたり、同じ単語や表現を何度も使ったりすることが多いためです。

学習者にとってこの繰り返しはとても重要で、2時間の映画を1回観るよりもずっと簡単に、いろいろなことに気づくようになるでしょう。

フォースを感じ、賢く使え

この記事ではロブさんとフランス映画に対する思いと映画鑑賞に頼りがちな傾向について話しました。フランス語を勉強するというミッションで映画鑑賞が果たす役割について客観的に考えるようにロブさんに言い、また、外国語学習のために映画を観るメリットとデメリットについて話しました。

最後に、ロブさんがやっていることは、どちらかというと自分で選ぶというよりも習慣から映画を使ってフランス語を学ぼうとしているだけであるということを言いました。そして、その貴重な学習時間はもっとバランスよくいろいろなスキルを勉強するように変更できる、ということをあまり考えていないのではないかと言いました。

ロブさんは映画鑑賞をやめる必要はありませんが、フランス語がペラペラになるという夢を叶えたいならば、映画がフランス語学習で果たす役割を理解し、自分の時間の使い方を意識的に決める必要があるのです。

フランス語が中級レベルに達した時には、また違った話をすることになるでしょう。その時には、映画鑑賞は以前よりもだいぶ役に立つという話になっていると思います。というのは、映画の内容をずっと理解できるようになっていて、より多くのことに気づけるようになっているからで、その分メリットが大きいわけです。

ロブさんはもちろん架空の人物です。

でも、みなさんはどうでしょうか?

外国語習得の夢を叶える過程で、映画がどのように役に立っていますか?

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