世界トップレベルのマルチリンガルたちに学ぶ効果的な言語学習法 -共通点はあるか?

olly richards alex rawlings richard simcott

世界トップレベルのマルチリンガル(多言語を話す人、ポリグロット)たちの言語学習法に何か共通点はあるだろうか?

今日はその疑問に答える寄稿記事を紹介できることになり、とても嬉しく思います。

今回学ぶことは: 

  • 世界のトップ・マルチリンガルたちがどう外国語を学んでいるのか
  • それぞれの学習法の核となる考え方
  • 全ての学習法に共通するキーポイント

この記事は皆さんにお楽しみいただけると思います。著者は Sprachheld というブログを運営しているガブリエルです。

では、どうぞ。


100%間違いなく成功するという「唯一無二の外国語学習法」などというものは存在するだろうか?

そんなものは存在しない。

しかし、逆にそれは効果的に外国語を学ぶ方法はたくさんあるということでもある

つまり、他人が使って上達しているからといって、自分に合わない学習法で勉強する必要はない。自分に合う方法を選んで、好きな外国語を学べばよい。

世界のトップ・マルチリンガルたちにインタビューして、さまざまな質問をしたのだが、その中でどんな方法で外国語を学んでいるかを尋ねた(インタビューはこちら)。

そのインタビューの中で、マルチリンガルたちはそれぞれ特有の方法を用いてはいるものの共通点も多くあることに気づき、以下の3つの主要学習法を抽出することができた。

  1. 最初から話す方法: 外国語を学び始めたら、すぐにネイティブ・スピーカーと話し始める。最初は少しずつ、そして徐々に増やして行く。
  2. 最初に聞き取りと読みを行う方法: できる限り多くの文章を読んだり聞いたりする。徐々に難易度を上げていき、わからない単語を学習する。
  3. 最初に翻訳を行う方法 外国語から母国語、あるいは逆方向に文章を翻訳することから始める。

これらの学習法についてはこの記事で後ほど詳しく述べる。この記事の構成は次の通り。もし後の部分の方に興味があれば、リンクをクリックして直接その部分にジャンプすることも可能だ。

  1. インタビューしたマルチリンガルたちとその学習法
  2. 学習法の分析およびグループ
  3. 全ての学習法における共通点とその核となる考え方

では、最初にインタビューした相手の一人でもあり、この記事をブログに掲載することを快諾してくれたオリーから始めよう。

オリー・リチャーズolly richards I will teach you a language

オリーはまず教科書で一通り基礎を学ぶことから始める。

オリーがドイツ語を学んだ時は、「Colloquial German」というテキストを使用した(オリーのドイツ語学習計画の詳細はこちら)。毎日テキストの新しい章を学び、以前に勉強した章の復習も頻繁に行う。

テキストを使う時は、特にテキストに載っている会話例に注目する。完全に理解できるようになるまでその会話を読んだり聞いたりすることを繰り返す。

この方法は母国語に近い外国語を学ぶ時に特に有効である。例えば、ドイツ語と英語は比較的似ているのでこの方法は非常に有効だ。

新しい外国語を勉強するのに一番セクシーな方法ではないが(これは私ではなくオリーの言葉)、この方法によって基礎がしっかり身につく。

このようにして基礎を身につけた後、オリーは個人指導の先生(チューター)を見つけ、できるだけ早く話し始めるという。

オリーお勧めの外国語学習テクニックや日課についての詳細はこちら

スティーブ・カウフマンsteve kaufmann lingq

スティーブが提唱する方法は、他の多くのマルチリンガルたちとは少し異なる。

「最初から話す」というアプローチには反対で、最初はリーディングとリスニングのスキルをできるだけ向上させることを提唱している。そうすることにより、必要な単語を全て学ぶことができる。そこではじめて話し始めるのだ。

この方法はだいぶ有効なようだ。我々はドイツ語でインタビューを行ったのだが、その準備をするために上に述べた方法で直前一週間、自身が作った言語学習プラットフォームLingQを使用して準備を行ったという。

これはまさにスティーブがLingQを開発した理由でもある。プラットフォーム上の文章、あるいは自分の所有している文章など、さまざまな文章をたくさん読んだり聞いたりすることができ、知らない単語を学ぶことができる。これにより語彙数が増え、さらに複雑な文章に進むことができるのだ。

ルカ・ランパリエロLuca Lampariello the polyglot dream

ルカは外国語を学び始める時に、翻訳を行ってその言語のパターンや構成を理解したり、新しい単語を習得したりする。

まず、外国語から母国語(イタリア語)に翻訳する。慣れてきたら、逆に外国語に翻訳する。通常、これを毎日、一日あたり30〜40分行う。

翻訳する文章は、Assimilという外国語の教材を使う。

しかし、この方法を使うのは外国語を学び始める時だけで、この方法だけで流暢になるわけではない。ルカはこのように翻訳を3〜6ヶ月(期間は外国語の難易度に依存する)行った後、他の方法に移行して、スピーキングやリーディングも学習する。

リチャード・シムコット

richard simcott

新しい外国語を学び始める時のリチャードの定番の方法は、リーディングとライティングをたくさん行うことだという。これは特に習得済み言語に近い外国語(つまり今となってはリチャードが学ぶほとんどの外国語)を学ぶ時に当てはまる。

まず本を読んで、内容を理解するように努める。また、いろいろなことを全て外国語で書き出す。例えば、新しく学んだ単語や会話など。そして、それを全て読み直し、理解するように努める。

リディア・マコバ

Lydia Machova language mentoring

リディアは実際に使いながら外国語を学ぶ。つまり、実際に話したり、実践的な問題を解いたりして文法を習得するのだ。

単に文法を理論として学ぶのではなく、実践を通して学ぶわけである。したがって、文法ルールの理論的な概念に精通しているわけではないが、類推することで文法ルールをどう使うかということは知っているのである。

カースティン・ケーブルkerstin cable fluent language

カースティンのアプローチは小さなゴールの積み重ねということに尽きる。カースティン曰く、外国語を学ぶほとんどの人は正しく目標を設定していない。外国語を流暢に話すというのは、最初に学ぶ外国語の目標にしては大きすぎるのだ。

その代わりに、カースティンはもっと小さな目標を次の4つのコア・スキルに分けて設定し、常にこの4つのスキルを向上させるようにしている。

  • スピーキング
  • リスニング
  • ライティング
  • リーディング

これはどの外国語を学ぶ時でも同じで、この4つのコア・スキルを伸ばすように努めている。したがって、どんな外国語を学ぶ時でも、この4つのコア・スキルを伸ばすように努めているのだ。

例えば、

  • 外国語のネイティブ・スピーカーと話す → スピーキング
  • ポッドキャストを聞ききながら、その内容に受け答えをしたり、おうむ返しに言ったりする → リスニングとスピーキング
  • テレビ番組を字幕つきで見る → リスニング(とリーディング)

一番重要なのは、外国語の入力(リスニングとリーディング)だけではなくて、出力(スピーキングとライティング)も行うこと。

ヴラジミール・スカルテティ

Vladimir Skultety Forever a Student

ヴラジミールはインタビューで特に中国語を学ぶのにお勧めの方法について語ってくれた。

  1. 最重要単語を500語学ぶ。
  2. 一人で自分に向かって話す。これは風呂場で(シャワーを出さずに)行うとエコー効果があるので効果的。自分の発音を録音すると、自分で聞いて間違いを見つけられる。
  3. ネイティブ・スピーカーと話し始める。個人指導チューターと話すのが一番良い。
  4. ここで初めて文法と声調(トーン)に注意を払い始める。声調はよく言われるほど重要ではない。声調を少し間違えたとしても、ネイティブ・スピーカーは文脈から理解してくれる。
  5. 話せるようになったら、文字を読む練習を始める。コミックや漫画から始める。一旦話せるようになれば、読む速度を上げるようになるのはかなり容易である。

リンジー・ウィリアムズlindsay williams lindsay does languages

リンジーは外国語を学習する一方で、外国語を教えるチューターでもある。そんなリンジーの学習法はこのような感じ。

  • 外国語を学ぶ時は少しずつ学ぶ。 最初からネイティブ・スピーカーと1時間も話す必要はない。まず、少しライティングを行い、その後ネイティブ・スピーカーと簡単な会話をすることから始めて、慣れてきたらもう少し長いスピーキングを始める。
  • 外国語学習を楽しむことが一番重要。 自分が使っていて楽しいと思う教材で勉強すること。まず、自分が好きなことや楽しめることを考え、それを中心にして外国語学習を組み立てる。もしサッカーが好きなら、買い物をするのに使う会話ではなく、サッカーについて話せるような会話を学ぶべき。
  • 柔軟に正しい方向に導いてくれるような個人指導のチューターを見つけること。でも、チューターだけが外国語への接点というわけではない。 やはり自分で努力する必要がある。チューターはサポートをしてくれるだけ。

アレックス・ローリングス

alex rawlings

アレックスによると、いろいろな方法を試してみるのは重要だということ(そのためにこの記事があるわけだ)。アレックスは5ヶ国語を学んでやっと自分にとって最適な方法を見つけたという。

例えば、フラッシュカードは自分には合わないということに気づくまでかなり時間がかかったという。アレックスは会話でわからない単語があった場合、相手に訳語を教えてもらい、その場でその単語を使って学ぶ方法を好んで用いるという。

アレックスはこの方法を使いながら学ぶ方法、あるいは話しながら学ぶ方法と呼んでいる。

学習法の分類

では、今まで見てきたマルチリンガルたちの学習法を分析して3つの主要な学習法にまとめ、どう使うかを説明しよう。

その後、各学習法の共通点を探り、どの方法を採用すべきかを考える。

まず、各学習法のまとめは以下の通り。language learning methods infographic

一番人気の高い方法から見ていく。

方法 1: 最初から話す

この方法はベニー・ルイスが唱えていることで有名で、ベニーはこれを「一日目から話す」方法と呼んでいる。

この方法はスピーキングにできるだけ力を注ぐ。

外国語を学び始める時は、せいぜい単語をいくつか言えるだけだろう。この方法はそれでも自分の知っている単語を使って話すことを勧めており、定期的に話すことによって流暢さを増していく。

最初から話すには次のようなちょっとした対策法がある。

  1. 自己紹介をあらかじめ準備して暗記しておく。 これは新しい相手と会話を始める時に毎回最初に言う決まり文句のことである。
  2. 重要な単語のリストをいつも手元に置いておく リストの中にある重要な単語を度忘れしたら、リストをチラッと見て思い出し会話を続ければ良い。
  3. 最初は頭の中で直訳をする。 会話を始めるのに文法を完璧に知っている必要はない。相手に意味が通じる限り問題はない。間違いがあってもネイティブ・スピーカーが指摘してくれるだろうし、そうすればその場で文法を学べる。

これらは有効だが、対策法は他にもいろいろある。覚えておくべきことは、言いたいことが通じれば、そのコミュニケーションは成功であり、その外国語をちゃんと話しているということになる。 話し続ける限り上達するのだ。まず最初は他のことを気にする必要はない。

マルチリンガルたちは皆、外国語学習の過程のいずれかの時点でこの方法を用いている。実際、話すことなしに外国語を学ぶのは非常に難しい。 主な違いは、初日から話し始めるマルチリンガルもいれば、もっと後になって話し始める人もいるということだ。

さて、二つ目の方法はこれとは反対の始め方をする。

方法2: まずリスニングとリーディングから始めるlisten

この方法は特にスティーブ・カウフマンが提唱している。また、これはスティーブが開発した外国語学習プラットフォームであるLingQの学習法でもある。

要は可能な限り多くのリーディングリスニングから始めるということである。各文章を読み進めるにつれ、新しい単語を徐々に学んでいき、さらに複雑な文章に進む。

その外国語をだいたい理解し始めたら話し始める。その頃までにはかなり語彙を習得し、正しい文の構造も知っているので、十分に話すことができる。

方法3: 外国語へ翻訳する

外国語に翻訳をすることによって語彙を手早く学ぶことができる。単語の意味を調べる時に、意味のまとまりとして捉えているので、文脈なしに単語を学ぶよりも効率的に記憶できる。

また、早い段階から文を組み立て始めることになるが、この文を組み立てられる能力というのは話す時に重要である。

まず、外国語から母国語に翻訳することから始める。慣れてきたら、逆に外国語に翻訳してもよい。

これは上に述べたルカ・ランパリエロが使っている方法である。

学習法にどんな共通点があるか?

では、これらの学習法に共通するのは何だろうか? そして、外国語を学ぶ時にもっとも重要な基本ルールは何だろうか?

これらの学習法は一見かけ離れているように見えるが、一つのコンセプトが共通しており、そこから基本ルールが見えてくる。

どんな学習法を用いても(上に挙げた方法以外の方法でも)、この基本ルールに沿えば必ず上達することができる。

これらの学習法は皆、実際に使うという基本原則に則っている。

どの学習法でも外国語を実際に使っているのだ。

スピーキングでは実際に話す時には意味のある文を作らなくてはならない。実際に言葉を使うことで、自分の考えを表現するにはどう言葉を操れば良いかを学んでいく。

翻訳をする時も同様だ。文を組み立てることで学んだことを実際に使う。つまり言葉を紡いでいるのだ。原文はもともと本や教科書から取ってきたとしても、実際に翻訳するのは学習者なのだ。

外国語を読んだり聞いたりする時には、その言葉を間接的に使うことになる。文の構成、単語、使用法などを聞いたり読んだりし、それを繰り返す。

それを大量の文章に対して行えば、ある時点で無意識のうちにその外国語がどのような仕組みになっているのか理解し始めるようになる。その理解がその外国語を実際に使い始めて(話したり書いたりする時に)文章を組み立てる時に役に立つ。

まとめると、外国語を学ぶ時には以下の4つのコア・スキルを磨かなくてはならないということだ。

  • スピーキング
  • リスニング
  • ライティング
  • リーディング

これらのスキルは全て外国語を自在に操るのに必要なのだ。

これと対照的なのは、単語や文法だけを単独で学んだり、新しいボキャブラリーの記憶ゲームをしたり、選択肢問題を解いたりすることだ。

外国語を実際に使えば、自然とその使い方を学ぶ。それが結局のところ最終目的ではないだろうか?

結論: どの学習法が一番?

今まで見てきた通り、成功したマルチリンガルたちですら外国語学習法については意見が一致するわけではない。しかし、どの学習法も根本的なところは一致している。それは実際に使うということだ。

どの学習法で学ぶかということが重要なのではない。その外国語を実際に使う限り、上達するだろう。

最後に、アドバイスとして・・・

上に挙げた学習法を全て試してみるのはどうだろうか。

自分がどの学習法を楽しめるか、どの学習法が効果があるかを試してみて、自分に一番合う方法を選べば良い。

最後に、アレックス・ローリングスの言葉を借りて。 「5ヶ国語を学んでやっと自分に一番合う方法を見つけた。


今まで見てきた通り、成功したマルチリンガルたちですら外国語学習法については意見が一致するわけではない。しかし、どの学習法も根本的なところは一致している。それは実際に使うということだ。

どんな学習法で外国語を学んでいますか? 以下のコメント欄でおしらせください。

Free 3-Day Email Course

MEMORY HACKING:

How To Memorize Words In Any Language...And NOT Forget Them later!

Powered by ConvertKit
Olly's Top Resources For Learning: